外壁のシーリングの雨漏り 原因と防水工事のポイント

雨漏りといえば屋根から水がしたたる様子をイメージする方は多いかもしれませんが、外壁からの雨漏りも少なくありません。外壁からの雨漏りは、天井からの雨漏りよりも気づきにいため、柱などの構造体にじわじわと雨水がしみこんで腐朽被害が拡大しがちです。

そこで今回は、近年被害が増えている外壁のシーリングからの雨漏りについて解説します。

外壁材には様々な種類のものがありますが、大きく分けると「サイディングボード（板状の外壁材）を張りつけるもの」と「モルタル（ペースト状の外壁材）の塗り壁」の２つがあります。

シーリングからの雨漏りが発生するのはほとんどの場合、前者の工法です。サイディングボードは建物の形状に合わせて張りつけるため、どうしても継ぎ目ができます。この継ぎ目を埋めるのがシーリングです。

サイディングボードの素材は、セラミックや樹脂、金属など様々ですが、耐久年数はおよそ10年です。しかし、この外壁材をつなぎ合わせるシーリングは一般的なものだと5年経ほどで劣化してしまいます。

シーリングは劣化すると破断や剥離を引き起こしてサイディングボードの継ぎ目に隙間ができ、ここから浸水することがあるのです。

サイディングボードの外壁は、浸水しても内側に防水シートがあるためすぐには雨漏りしませんが、シートを劣化させて雨漏りのリスクを高めます。また外壁の空洞内に湿気がたまり、ボードの反りや歪みなどの原因にもなります。

外壁材を長持ちさせて建物の安全を守るためにも、浸水リスクのある劣化したシーリングは早めに補修しておきましょう。

雨漏りは屋根だけでなく外壁からも発生します。サイディングボードは外壁材として主流になりつつありますが、このボードをつなぎ合わせるシーリングが劣化すると雨漏りのリスクが高まります。シーリングはサイディングボードよりも耐久年数が短いので注意が必要です。

シーリングの補修工事は、一見すると簡単なように思えますが、シーリング材の選定や厚みの調整などが必要になるため、きちんと業者に依頼するようにしましょう。